「故障の電話が殺到しています」って自慢ですか?
パソコンが突然壊れた。私の使用ミスとか何か原因があれば納得できるが、何も思い当たらない。作業途中で中断するときはスリープにしていたが、電源ボタンを押すと、いつもの画面ではなく、「システムの更新プログラムのインストールが完了するまで、しばらくお待ちください」との文字が出た。
このパソコン「ダイナブック」は、しょっちゅうアプリのインストールを勧める画面が出る。起動したときも出てくるし、作業中にも出てくる。しかも有料のものが多い。私はいつも「閉じる」のボタンを押すことにしていた。
私にとってはワードとメールさえ出来ればいいので、得体の知れないものを取り込む必要はなかった。更新プログラムのインストールもあったが、それも一度も応じたことはなかった。
この場合も私が希望したわけではなかった。それなのにインストールするということはよほど大事なものかもしれない。そんな気もしたし、インストール中に電源を切ると故障の原因にもなる。で、しばらく待つことにした。しかしそのしばらくがいつまでも続き、翌日になってもそのままである。
画面にスタートボタンも何も出てないから、シャットダウンすることも出来ない。パソコンのボタンを押して強制終了するしかない。そしてしばらくして電源ボタンを押すと、また「更新プログラムの……」画面が出てくる。
何度やってもその繰り返しである。
「壊れたのなら壊れたと表示してくれればいいのに」とついため息をつきたくなる。
このパソコンは3台目である。最初は「富士通」次は「ソニー」で、ウインドウ10が入ったパソコンを買うとき、私はソニー製品をと思っていたが、ソニーはパソコンから撤退していて、店頭に並んでいるのは韓国製や中国製のもので、日本のメーカーのものはダイナブックだけだったのだ。
最近はみんなパソコンを使い慣れたせいか、「取扱説明書」もごく簡単になり、「困ったときは」は「パソコンで見るマニュアル」を参考にするようにとのことである。しかし困ったときというのはパソコンが正常に作動しないときだから、マニュアルを見ることが出来ないのである。
で、電話で問い合わせることになる。すると「只今、故障の電話が殺到して、順次お繋ぎしていますが、時間がかかります。このままお待ち下さるか、改めておかけ直し下さい」と録音された声が流れてくる。これが他の商品ならメーカーが平身低頭して飛んできて新品と取り替えてくれるだろうに。「故障の電話が殺到しています」が、いかにも自慢げに聞こえるのは私の気のせいだろうか。 結局ヨドバシカメラへ持って行って修理を依頼したが、データーを取り出すにはパスワドが必要だとか、何度も往復させられ、このところ故障したパソコンに振りまわされている毎日である。