サギ電話対策

エッセイ

「そんな馬鹿な! 銀行に聞いてみます」

最近はいろいろな連絡や友人との会話もメールが主になって、電話の出番が少なくなった。私のところへも電話をかけてくるのは、高齢の友人ぐらいで、あとは迷惑電話と言われるものである。

詐欺まがいの電話も結構多い。詐欺グループを捕まえたらあなたの預金通帳があったなどというのは、今ではよく知られた手口だが、私のところへかかってきたときは、まだそんな手口が取り沙汰されていない時だった。

私は何の疑いもなく、相手の言う通り預金通帳があることを確認した。すると「通帳の偽造グループがいるのですかね。こちらでも調査しますが問題が解決するまで、預金が封鎖されますよ」という。

「そんな馬鹿な! 銀行に聞いてみます」

私はそれが詐欺の手口などと疑ってはなかったが、こちらの落ち度でもないのに、預金が封鎖されるなんて不当だとの意識があったから、自然強い口調になっていた。すると相手は慌てて電話を切り、サギ電話だと分かったのである。

サギ電話に騙された人の話を聞くと、主体性がなく、初めから相手の言いなりである。こちらにはこちらの都合がある。どうしてもATMまで行かなければならないのか。今日でなければいけないのか。今日行けない人はどうすればいいのか。たとえそれが本当に役所や銀行からの電話だとしても、それくらいのことは尋ねてもいいのではないかと思う。

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