バケツでコーラーを

旅行

 ツアーでアメリカへ行ったとき、ロサンゼルスで昼食の店が、旅行社の手違いで予約ができてなかった。添乗員は各自に10ドルずつ返し、ファマーズマーケットで、好きなものを買って食べるように言った。

といってもろくな物はないところで、私はホットドッグとコーラーにすることにした。ホットドッグを見つけて、コーラーの棚に行くと、大、中、小の値段の表示があり、自分でコーラーを注いで、レジへ持って行くようになっていた。

が、私の欲しい小の容器が見当たらない。が、大でも値段はたいしたことはないので、私はビールの大ジョッキぐらいの容器に、半分ほどコーラーを入れて持っていった。

するとレジ係は「コーラー、スモール、ワン!と言いながらレジを打っている。

「え?これがスモール?じゃラージは?」と聞くと、彼女は私が容器を取った一番下の段に並んでいるバケツのようなものを指さした。

「まさか!」

牛や馬ではあるまいし、誰がそんな大量のコーラーを飲むのか。驚きを通り越して、からかわれているとしか思えなかったが、後で聞くとアメリカは空気が乾燥しているから、すぐ喉が渇き、みんなそれくらいのコーラーは飲むのだそうである。 「アメリカ人、おそるべし」と感じた最初の出来事だった。

タイトルとURLをコピーしました