「丸高万柳」(7)

エッセイ

近所でも評判の姉妹だったらしい

集まった同級生たちの話では、松浦家は昔酒田でも十三人衆と呼ばれる豪商の一つで、今でもメイン通りに屋敷跡の空き地が残っている。

森さんの父親は医者で早くに亡くなったが、お姉さんと森さんの姉妹はいつもお揃いの着物を着て、近所でも評判の姉妹だったらしい。

上にお兄さんがいて医者になり、今は違う場所で開業している。お姉さんは結婚して関東地方に住んでいるという。

しかし私が森さんの話を聞きたいと電話すると、いとも冷淡に断られた。特にお姉さんのほうは婚家にも迷惑がかかるから、妹のことはそっとしておいてほしいとのことだった。

世間体が大事なのはよくわかる。私が育った四国より半年も雪に閉ざされて過ごす地方のほうが、そういう束縛が強いこともわかる。

しかしそれにしても冷たすぎるのではないか。私はそういう感じを持ったが、しかし自活しないでいつも援助を求める妹がいると、そういう気持ちになるのかもしれないと思いなおした。

森さんが亡くなったのは1992年(平成4年)で、57歳だった。30年前である。

そして7年後の1999年(平成11年)には、山崎柳子さんが亡くなった。

柳子さんは芥川賞の候補に3回なり、どの作品も賞をもらっても不思議はなかったが、とうとうもらえないままだった。

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