うまくいかないとき

エッセイ

「過去の出来事を変えることは出来ないが、過去の出来事の意味を変えることは出来る」

「過去の出来事を変えることは出来ないが、過去の出来事の意味を変えることは出来る」という言葉がある。

 勝ち負けのはっきりしている運動選手などの場合は、はっきりしている。大事な場面で失敗してチームが負けてしまう。その事実は変えようがないが、それに発奮して闘志を燃やし技を磨いていけば、自分が今あるのはあの時の失敗のおかげだということが出来る。

「失敗は成功のもと」というように、貴重な経験になっているのである。

 しかしそのためには、強い意志と忍耐力が必要である。世の中はそう強い人ばかりではない。私もそうだが、出来事に流されるままに来て、あの時ああすればよかった、こういう道もあったのにと後悔することばかりである。

 そういう人はどうすればいいのだろう。もう取り返しのつかない年になって、いつまでもくよくよしていても始まらない。

失敗も、うまくいかなかったことも、自分だけしか味わえなかった貴重な経験と思えばよいのではないか。

小説を書いていていいことは、そういう視点から物事を見ることが出来ることである。 それで大いに助かってきたような気がするし、それをもとに小説を書いてきたのだから、もとを取り返しているといえるのではないだろうか。

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