オーロラを見に（７）

アラスカから帰って2週間ほどして、有本さんと私は札幌の雪まつりに行った。

4時前にアンカレッジの観光を終え、ダウンタウンの真ん中にあるウエストマークホテルに到着した。2，3時間買い物の時間があり、近くに土産物店やデパートがあるということだったが、私も有本さんも部屋へ入って休んでいた。海産物を買いたいと思っていたが、風邪でそれどころではなかった。

私は少し元気を取り戻していたが、有本さんにもうつしてしまったようで、彼女は本当に苦しそうだった。有本さんと私は田舎で隣り合わせの家で育ち、小さい頃からの遊び友達で遠慮のない間柄である。

彼女となら同じ部屋に泊まっても少しも気にならないが、ほかの人だとそうはいかない。彼女が健康上の理由から海外旅行に行かなくなってから、私はいつも一人部屋を申し込んでいた。

帰国の飛行機はアンカレッジから乗った日本人のツアーは2グループだけだったが、シアトルからはカナダやアメリカ東部に行っていたツアー客が沢山乗り、それが全員といっていいほど風邪を引いていて、ノースウエスト機の中は咳ばかりだった。

アラスカから帰って2週間ほどして、有本さんと私は札幌の雪まつりに行った。　
二人とも風邪は治っていたが、札幌も雪がちらつき結構寒かったが、アラスカの寒さを経験しているから「ちっとも寒くないね」「暖かいね」などと言いながら歩いた。アラスカの寒さに比べれば何でもなかったのだ。